Shachō tsūshin社長通信
【社長通信 vol.1】「自社整備工場」を持っている理由とは?
ティティエスとちぎ社長通信
社長 海老原が「ティティエスとちぎ」について定期的に発信。
お客様が気になる疑問にもお答えします。
「自社整備工場」を持っている理由とは?
Why do you have an“in-house maintenance shop”?
みなさま、こんにちは。[ティティエスとちぎ]社長の海老原です。
多くのお客様に支えられてきた当社は、今年で創業21年を迎えました。
おかげさまで、継続してお付き合いいただいていますお客様は500名を超え、当社が販売する車をお求めになる方は、南は沖縄・北は青森までと、全国からお声をかけていただけるようになりました。
懇意にしていただくお客様から「海老原さんところなら自前で工場を持っているし、整備まで責任を持ってくれるから安心だよな」なんて、うれしいお言葉をいただけることも。最近では「自社で整備工場を持つのって大変でしょ?」とか「工場のない販売店のほうが多いのに、どうして海老原さんところは工場を抱えているの?」といったことを聞かれることも増えてきました。
そこで【社長通信】の第1回目は、この「なぜ当社が、自社で整備工場を持っているのか」についてお話ししたいと思います。
買ったお店でのメンテナンスが安心。でもそういう販売店は多くない。
シンプルに考えてみれば、買ったお店でメンテナンスまでしてもらえるという状態が、お客様にとっては一番「楽」で「安心」ではないでしょうか?そう考えると、多くの中古車販売店が自社に工場を持っていてもよいはず、と思われるかもしれませんが、そうでもありません。特に当社のような商用車(トラック・クレーン車・高所作業車など)を中心に扱う販売店で、そういった車種まで整備できる自社工場をもっているところとなれば、もっと少なくなります。
ではなぜ当社には、それができたのでしょうか?そんな疑問にお答えするために、少し昔のことを振り返ってみたいと思います。
ひとりぼっち。実家の車庫から始まった整備工場
元々私は、自動車整備の専門学校を卒業後、10年ほど県内の大手自動車ディーラーで整備士として働いておりました。退職に際して、父から「10年以上も整備を経験したのだから、今度は自分でやったら?」と言われ、独立をすることに。
しかしながら、整備一筋 10年以上で営業もやったことがありませんし、固定のお客様もいません。とりあえずは、実家の車庫を間借りして、友人や知人の車の整備を細々と請け負う毎日でした。 何でもそろっていたディーラーの整備工場とは違い、工場とは名ばかりの「実家の車庫」には、ないものだらけ。
大雪が降る中、ガタガタと震えながら整備を行った日のことは今でも鮮明に思い出せますし、二度と経験したくないことの1つです(笑)必要な設備や道具を一つ一つそろえ、車種ごとの整備方法もやりながら覚えていきました。もう教えてくれる人はいませんから、足りない知識や経験は自分で積み上げていくしかありませんでした。 そんな環境に2年ほど耐え、やっと念願の工場の建設に踏み切ることに。地元の仲間にも協力してもらい、正式に「整備工場」としてスタートできたのが、今の場所です。ただ、この時はまだ「販売」を行ってはいませんでした。
整備はできる。だけど、もっとできることがあるんじゃないか?
私は車に乗ることも、車をいじるのも好きで、だから「車」に関わる仕事を選びました。整備をはじめてからも、自分が整備した車にお客様がよろこんでくれることが、うれしかったですし、やりがいでもありました。しかし、念願の工場が建って、好きな整備の仕事ができて、お付き合いできるお客様も増えてきたにも関わらず、何かが物足りない。
このまま整備だけをやっていて良いのだろうか、という一抹の不安が頭をよぎります。ここままで、これから先もお客様に満足し続けてもらえるのだろうか…と、考えるようになったのです。
そうこう考えるうちに、せっかく工場があって、自分たちで整備ができるのだから、お客様には「車との出会い」の段階からお役に立てないだろうかと思い始めるようになりました。私たちなら、自分たちで選び、整備した車を安心できる状態にしてお客様にお渡しできる、と。まだまだ、満足していただける余地があるのではないか、と。
乗用車中心から、トラック・クレーンなどの商用車へ
そうしてスタートした中古車販売。当初は一般的な乗用車ばかりを扱っていました。しかし、同じような乗用車を扱う中古車販売店は数多く存在します。そんな環境で、私たちがお客様のお役に立てる機会はあまり多くありませんでした。そこで目を向けたのが、今扱っているトラックやクレーン車などの「商用車」だったのです。
珍しい規格・仕様かつ手頃な価格。必要な人のために探し出す
トラックやクレーン車などの「商用車」は、そもそも中古車市場での数が多くはありません。しかも、新車となればかなりの高額です。お客様の事業の内容・目的によって、車の仕様は細かく限定されますから、ちょっと似たような別の車では、まったく意味がありません。しかも、仕事で使う車なので、必要なタイミングで手に入れたい。製造台数の少ない車両は、たとえ高額な新車であっても、すぐには納車されません。何より、お客様はなるべく無理のない価格で手に入れたいというご希望もありますから、そういった車両はトラック中古車ディーラーなどでも扱いも、ほとんどありません。
そこで当社は、そのようなお客様のニーズに応えるための「商用車」を探し、自社工場でしっかり整備をして、販売することになったのです。
「使い果たされた車」に再び息を吹き込む
仕入れは、社長の私自らが行います。年式もかなり古く、仕入れの段階ではいわば「使い果たした」ように見える車も多くありますが、そんな車に再び息を吹き込むのも、私たち「整備のプロ」の仕事です。
インターネットで当社が販売する車を見つけてくださり、実際に見に来てくださったお客様が「お、いいね!」なんて言っていただけますと、整備した側としては大変うれしい気持ちです。口には出しませんが「整備前のあの状態と見比べてほしかった!」なんて思うこともあります。 大変な状態の車両を整備するのは骨が折れる作業ではありますが、こんなお客様の声が聞けたとき、自分たちで整備をやっていてよかったと感じます。
お客様によろこんでもらえる車は、「勘」で仕入れる?
お客様が中古車に求めるのは、主に「品質」と「価格」です。
求める仕様に合った中古車の中でも「できるだけ品質が良く」「できるだけ安い金額」で買いたいと思うのは、当然のお考えだと思います。
この「品質」と「価格」を左右するのは、先程お伝えした「仕入れてからの整備」に加え、「そもそもどういう車を仕入れるか」つまりは「市場に出ている中古車の目利き」でもあります。この「目利き」については、言葉で説明するのが大変むずかしいです。むずかしいというか、これは私の「勘」に近いものなのです。
私は中古車の見極めについては、シックスセンスのようなものを持っているのかもしれません(笑)オークションで車を見ている時、どの車の息を吹き返せば、お客様がよろこぶのかが分かります。通常の仕入れ担当は手を出さないものであっても、私たちがこの車を整備すれば、お客様を満足させられると確信できます。実際、そう思って仕入れた車は、本当にすぐご購入いただけることが多いのです。
また逆に「スペックは悪くないのになんとなく惹かれない。でも一応仕入れとくか」などという気持ちで仕入れてしまった車は、なぜか後でトラブルが起こることも多々。おそらく長年、車に触り続けてきたからこそ分かる「何か」があるのだと感じています。
その車は、誰にとって必要なのか
誰が見ても良質な車は、価格もそれなりです。
しかし、当社のお客様の中には、「今年いっぱい動けばいいんだ」「若い衆に乗らせる車だから、乗りつぶせる(安い)のが欲しい」というオーダーもたくさんあります。
大切なのは、いま「私たちのお客様」が求めている『品質』と『価格』にこたえることだと思っています。幸い私は、そういった車を中古車市場の中から探し出せる「目利き」ができるようになりましたし、仕入れ後の「整備」、販売後のメンテナンスまで責任が持てます。仕入れから整備・販売までを一貫して対応できるようになったことで、お客様のニーズにこたえられる・安心して車をご購入いただけるようになったことは、私個人としても大変うれしく感じます。
私には「整備」しかなかった。でも、それが一番大切だった
私が実家の車庫で独立した時、私にできることは「整備」しかありませんでした。しかし、どんな車種でも可能だったわけではありません。現在のように、商用車まで整備できるようになったのは、1つ1つ「整備士」として経験を積んできたからです。工場を建てるにはお金がかかりますし、何より経験のある整備士を集めるのは大変です。自社で工場を持たない販売店があるのは、資本面だけではなく、人材などのノウハウ面も多く影響するためです。当社は私が整備士で、何年にも渡ってノウハウを集めて今日に至ります。今となっては、雪の中実家の車庫で震えていた経験も、当社の大きな財産となっているのを感じずにはいられません。
買っていただいてからが、本当のお付き合いのはじまり
流通の少ない商用車を扱う関係で、最近では沖縄や青森など、かなりの遠方からお問い合わせをいただくことも多くなりました。大変ありがたいことです。
ただ、この地元で生まれ育ち、地元のお客様に支えられてここまでやってこられたと感じているので「売って終わり」ではなく「ご購入いただいてから、そこから末永いお付き合い」をしていきたいと考えています。私が独立した車庫のある実家には、私の両親が暮らしております。私と家族もこの地元で暮らしております。皆様に顔向けできなくなるような車は販売しないと心に誓ってやってきました。それは、今までもこれからも変わりません。整備に必要な工具や機械のほとんどを自社でそろえて扱えるようにし、「自分たちが販売する車は、自分たちが責任を持って整備をする」ことにこだわっています。
そして、販売後も整備・点検、トラブルへの対応なども責任を持って対応することで、お客様には安心して、当社と末永いお付き合いをしていただきたいと考えています。
1人の車好きとして、胸を張れる車をお客様へ
私は商売を抜きにしても車が好きです。車は嘘を付きません。磨けば光りますし、ネジを緩めたら緩むし、直したら直る(直らないものもありますが)。手をかけた結果がわかりやすいですから、余計に手を抜けません。私も社長という立場上、利益や効率を考えることは多々あります。ただ1人の車好きとしても、胸を張れる車をお客様へ紹介したいというのは、大事にしたい私のプライドでもあります。
当社が「自社工場」を持ちながら、中古車販売を続けている理由、ご理解いただけましたでしょうか?
想いだけじゃない。国からの認証もしっかり
ちなみに当社の工場は、整備工場は関東運輸局長から認証を受けた「認証工場」です。当然、車検や法定点検も承っております。また、カーメンテナンス業による全国組織「ロータスクラブ」にも加盟し、「LOTAS次世代自動車取扱認定制度2016」認定店として、中古車の販売だけでなく、販売後の整備・点検、ご相談にもプロとして応じられる体制で営業しております。
今回の【社長通信】では想いの部分を多くお話してしまいましたが、国や業界団体からも
認められておりますので、その点でもご安心いただければと思います。
自社整備工場では、当社以外でお車をご購入された方の整備・点検も歓迎しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。