ひとり親家庭と子どもたちを見守るアウトリーチ型支援事業|特定非営利活動法人 ぱんだのしっぽ

 

ひとり親家庭と子どもたちを見守るアウトリーチ型支援事業

特定非営利活動法人 ぱんだのしっぽ

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2025.02.10

中央共同募金会「居場所を失った人への緊急活動応援助成の第8回」助成活動終了報告

2024年12月末日をもちまして、本助成金事業の期間が終了いたしました。
期間中のLINE相談件数は下記の通りです。
相談件数のべ483件
いじめ11件
友人関係175件
学校関連66件
恋愛6件
家庭問題120件
虐待2件
その他103件
上記の通り、友人関係と家庭問題に悩み、課題を抱えている青少年が多いことがわかりました。
複合している悩みの相談も多数あり、子どもたちが抱える問題は複雑多様化している状況が判明しました。彼らの多くはこれまで誰にも相談することが出来なかったという子どもや、親や先生、周囲の大人などに相談したことはあるが、具体的な解決には至らなかったなどの回答がありました。
多くの悩みを抱え、誰も頼ることが出来ない・相談できない孤独・孤立状態になっている子どもが多数を占めている状況が容易に推測される中、民間支援団体が実施する24時間対応のLINEを活用した相談の有効性を確認することが出来ました。
相談を受け付けた日時は夕方から夜間帯が多く、夏休みなどの長期休暇中や新学期が始まる前などのタイミングに多く相談を受け付けました。
2024年7月からは、当団体スタッフとボランティアスタッフが夜間の繁華街に出向き、青少年に声がけを行うとともに本事業で作成した相談カードを手渡すアウトリーチも実施しました。
アウトリーチを行なった後は街中で繋がった青少年からの相談が急増したため、アウトリーチの有効性と必要性を感じております。
相談内容から、連携する団体が実施しているフリースクールや無料学習塾、居場所事業へ繋いだり、LINE上だけでなく、直接会って話を聞くことができたケースなどもありました。
また、ヤングケアラー推測される子どもからの相談には、私たち団体の看護師職員が直接家庭を訪問して状況を把握、社会福祉協議会及び地域包括支援センターと連携し、福祉サービスに繋いだケースもありました。
SNSで相談支援事業の情報提供して相談を待つだけでなく、実際に相談カードを配り、気軽にいつでも相談できるLINEというツールを使うことにより、これまで誰にも相談することが出来なかった多くの青少年にも繋がることが出来、青少年の心に寄り添い傾聴することで子供達が「ひとりじゃないんだ」と安心感を享受することで、心に積もった悩みや苦しみを話してくれるなど、青少年の孤独・孤立を防ぐことに大きく寄与することができたと考えます。
 
本助成金で実施した事業が、青少年が抱える悩みや苦しみを、 LINEという相談のハードルが低いツールを活用することで、容易に繋がることが出来、これまで誰にも相談できなかったというケースが多数あり、彼らの悩みに寄り添うことが出来て非常に有効な相談支援事業であったと感じています。
課題としては、限られた予算と人員の中で、今後、年齢層の拡大や広域展開した場合に、どれだけの相談が寄せられるかが未知数であり、計画が立てづらいところがあります。
しかしながら24時間対応のLINE相談の有効性は確認できたこともあり、来年度、順次年齢層とエリアを拡充していく予定です。
また、今後の展開として非常に大きな事業に繋げていくことが出来ました。
それは、本事業を実施した当法人に共感していただいた宇都宮市医師会や他の支援団体の協力を得て、宇都宮市中心部に、若者たちの居場所の提供や対面による相談・支援を行う、ユースセンター併設型の駆け込み寺「Drop in Shelter Utsunomiya」の開設に向け、準備が着々と進んでおります。居場所や相談の入り口としての「駆け込み寺」開設に合わせ、現在の青少年の取り巻く現状とニーズから、こども家庭庁の「子ども若者シェルター・相談支援事業」のガイドラインに則り、有識者の大学教授、弁護士、心理師も協力頂き、ユースシェルターの開設も同時進行で進めることとなりました。
駆け込み寺では対面の相談と、本事業で実施したSNSでの相談を受け付けるほか、アウトリーチ支援活動の拠点としても運用していく予定となっております。
ユースシェルターは、本事業で相談にあったさまざまな事情により居場所を失った青少年や、街中で実施したアウトリーチで繋がった家出少年たちを一時的に保護できる施設として、運用していく計画です。
本事業で実施した青少年を対象としたLINE相談から、今後の展開が非常に大きな取り組みに発展しており、周囲の方々に認められ、協力をいただけることになったことに、本助成事業の実施の意義を深く感じております。
今後の展開についてはさまざまな困難もあるかと思いますが、本事業で実施したLINE相談を継続しつつ、新たな大きな新規事業の展開に向け、協力者の方々とともに、ひとつずつ進めていく予定となっております。
引き続き、ぱんだのしっぽの活動に、ご理解とご協力の程、宜しくお願い致します.





 

 

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