栃木求人マーケットは栃木県宇都宮市の求人情報がどこよりも詳しく掲載

 
那須ブラーゼン コラム【第17回】 若杉厚仁社長コラム  のコピー
 
 
12月に突入し、既に来シーズンに向けて準備が進められています。
サイクルロードレースのシーズンは1月1日~12月31日で区切られていますが、12月1日が実質的な転換の日といえるかもしれません。
そういった意味では既に2019 シーズンのチーム経営がスタートしていると言えるでしょう。

サイクルロードレースチームの経営は当然一般的な企業と同様、「売上をどのようにあげるか?」ということが求められます。
しかし、どのプロスポーツチームも一定程度は抱えているものでもあるかもしれませんが、特にサイクルロードレースチームの場合はレース活動が収益に直結している割合が非常に低いという課題を抱えています。
すなわち、誤解を恐れない表現としては、経営上「レースからは売上があがらない」という割り切りが求められます。

日本国内のサイクルロードレースが抱えている問題は様々取り上げられますが、チームにとっての一番の問題は「レースにいくら出場して優勝をしようとも、それは直接的な収入には一切の影響を与えない」という点であると私は考えています。
現状の日本国内のツアーや多くの国際レースでは、連盟・団体への登録にはまず費用がかかり、レース参戦に関わる費用はチームが負担します。
しかし、そのレースに出場して優勝をしたところで、レース出走にかかった費用を賄えるほどの賞金が受け取れるケースは非常に稀です。
これは、レース活動が単なる「コスト」を脱することができないという点においても非常に危険なことであると考えられます。
チームのマネジメントから一歩引いて会社経営の観点で「利益を生まないコスト」には投資が考えられないからです。

業界や連盟・団体単位でこれらの問題にどのようにアプローチをしていくかは既に一定の方向性や取り組みが示されてきていますが、その成立をただただ指をくわえて待っているだけではチームは倒産してしまいます。

今那須ブラーゼンが取り組んでいるチーム運営のモデルは、自力で課題を突破するものであり、2019 シーズンには革新的に運営の体制を変換します。今、まさにその実現に向けた最も重要な時期を過ごしていると言えるかもしれません。
 
若杉厚仁
Wakasugi Atsuhito

Profile
1989年10月14日生まれ。千葉県出身。
宇都宮ブリッツェンでプロデビュー。
2013年に那須ブラーゼンに移籍、選手権取締役運営マネージャーに就任。
シーズン末に現役引退。
2016年より那須ブラーゼン運営会社「NASPO㈱」代表取締役社長を務める。