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那須ブラーゼン コラム【第18回】 若杉厚仁社長コラム
 
 
年が明け、新メンバーで2019シーズンを迎えました。
ブラーゼンはチーム発足から毎年の様に多くのメンバーが入れ替わるため、他のチームに比べても比較的慌ただしい新シーズンを迎えることが多いのですが、今年はメンバーの入れ替わりに加えて、様々な新しいチャレンジをする準備もあり、より一層慌ただしいスタートを切ったように思います。

今シーズンの新たな取り組みの中で最も特筆すべきことは、「選手全員を会社事業に組み込む」ことです。
具体的には、営業や事務処理、ガイドツアーの運用やコーチング、顧客のバイクの整備、チームの遠征計画の作成や実行に至るまで、会社事業のすべてに選手達を加えることを指します。
この取り組みには賛否両論あり、まずはプロレーシングチームとしての戦力と機能を保つことが出来るのか?という大きな問いがあるかと思いますが、これについては単純に「可能」であると考えています。

というのも、選手達のトレーニングや回復に要する時間は、確かに他の競技に比べて比較的長い部類に入るのですが、回復日やトレーニング時間を短くコントロールしなければならない日があるなど、「チーム」の機能を共に担う「リソース」をシェアしてもらうことは組織全体としての能力を考えれば逆に有効なことです。

この取り組みにより、選手達はより自治的に自らの活動全体を見渡し、自らの活動に必要な働きを行うことでより良い活動に結び付く場合もあると考えられます。
また、専任選手である時代よりも多くの給与を受け取ることが可能となりました。

サイクルロードレースはスポーツビジネスとして、スポーツエンタテイメントとして成立させることが、全世界的にも難しい課題としてとらえられています。
すなわち、チーム単位でこれを成立させることもまた非常に難しい課題ですが、チームの価値を選手達と共に作り出せるとすれば、それは新たな可能性を生み出すと確信しています。

新シーズンの那須ブラーゼンの新たな取り組みにもご注目頂きたいと思います。
 
若杉厚仁
Wakasugi Atsuhito

Profile
1989年10月14日生まれ。千葉県出身。
宇都宮ブリッツェンでプロデビュー。
2013年に那須ブラーゼンに移籍、選手権取締役運営マネージャーに就任。
シーズン末に現役引退。
2016年より那須ブラーゼン運営会社「NASPO㈱」代表取締役社長を務める。