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那須ブラーゼン コラム【第21回】 若杉厚仁社長コラム
 
3月末に開催された県内各市町を駆け巡る「ツール・ド・とちぎ」では今年も那須ブラーゼンは非常に厳しい結果に終わりました。
存在感を全く示せなかった訳ではありませんが、少なくとも「勝負」に名乗りを上げるところまでの実力に至っていなかったという悔しさが残っています。

ブラーゼンでは今シーズンから新しいシステムを導入しています。
全選手にトレーニング外の時間で運営会社業務のサポートをしてもらうというものです。
これまでの、専業選手型に比べれば確かに、時間のやりくりや、競技外の事に思考を使う時間が求められますが、その分支払われる報酬は大きく設定されていて、生活環境は大きく改善されています。

とはいえ、開幕戦~ツール・ド・とちぎと2戦を終えて、現実はそれほど上手く運ぶものではないことを物語っています。
サイクルロードレースは競技時間が長く、体力の消耗が非常に大きい競技種目であり、トレーニング、ケア、その他、多くの時間を要します。
この点で、限りある時間の中で競技外の事に目を向けるには、有効なルーティンやペースをつかんでおかないとどちらにおいても悪影響を及ぼすのではないかと考えられます。

今回、ブラーゼンにこのシステムを敷いた意図には「自分達自身ですべてを変えなくてはならない」という「自治」の精神があるのですが、このマインドやメンタリティを組織として成熟させて完成系に近づけるには、もうしばらくの時間が必要であるようです。

個人の良いメンタリティとルーティンが伴うと共に、組織として良好な統治体制を確立する必要があり、運営会社に求められる管理体制の難易度は格段に上がっていると言えます。
もっとも、これは通常の会社組織では当たり前に行われていることであり、そういった意味では、これまで目を背けて成長をしてこれなかった常識にチャレンジしているだけのことであり、この課題を突破することは「正常」に近づく第一歩でしかないはずだとも感じているのです。
 
若杉厚仁
Wakasugi Atsuhito

Profile
1989年10月14日生まれ。千葉県出身。
宇都宮ブリッツェンでプロデビュー。
2013年に那須ブラーゼンに移籍、選手権取締役運営マネージャーに就任。
シーズン末に現役引退。
2016年より那須ブラーゼン運営会社「NASPO㈱」代表取締役社長を務める。