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L'ETAPE DU
TOUR 2019参戦記①

今回は、前回ご報告していた通り「エタップ・デュ・ツール」
参戦記をお送りします。まずは、参戦に向けた準備期間と
渡仏直前までです。
昨年の12月にこの挑戦への準備を始めて、半年以上の準備期間を費やしてきました。ブラーゼンを立ち上げて以来7年の間、ロードバイクを走らせることを競技レベルですることからは遠ざかってきましたし、まともな強度のサイクリングも全くといって良いほど行ってきませんでした。

 トレーニングスタート時の体重は63kg、体脂肪は13%、最大酸素摂取量、乳酸除去能力は、この時点で測定した範囲ではいわゆる一般人の運動レベルにありました。その体にまず、週に3回2時間以上の継続的な高強度のライドを義務付けました。それ以外の4日は、30分以上の軽強度のライドか完全な身体的な休養によって回復をはかるカリキュラムを組みました。

 トレーニングを継続して3ヶ月目の2019 年3月、目標体重である61㎏に到達しました。体脂肪は10%に至りました。2019 年5月には体重60㎏、体脂肪9%まで至ることが出来ました。レースの2か月前の時点で、当初計画した通りの筋肉量と体重に到達しましたので、次の要件である、筋肉へ持久力を記憶させるトレーニングに移行しました。これは、レースの総想定時間である5-7 時間の継続的な運動に耐える為のトレーニングで、所謂乗り込みになります。

 しかし、まとめて5時間以上のトレーニングを捻出できるのは週の中の水曜日のみで、5-6 月の2か月の間で計4回のみを行うに留まり、結果的に今回のリザルトは生み出す最大の要素にして、自分自身の課題としていた箇所を潜り抜けられなかった証明となってしまいました。

 6月時点で、国際医療福祉大学協力の元、那須ブラーゼンの選手達のパフォーマンス測定を行い、体重59kg、体脂肪8%、最大酸素摂取量60と、この時点ではチームに所属している選手達の平均値に近い数値を確認することができ、エタップで上位進出は叶わなくとも、一定以上の期待値は持っても良いだろうと感じていました。

 7月に入り、更にアスリートレベルにパフォーマンスを引き上げるべくトレーニングの強度を増しましたが、ここで身体的な拒絶反応が散見されました。睡眠が浅くなったり、頻繁に熱発をしたり、咳喘息の症状を示したり、皮膚にただれが起きたりと、目標としていた向上は積み上げることが出来ず、いささかネガティブな感情を持って7月18日の渡仏を迎えました。

つづく。


次回はいよいよフランス現地着からレース当日のレポートです。
 

若杉厚仁Wakasugi Atsuhito
1989 年10 月14 日生まれ、千葉県出身。
宇都宮ブリッツェンでプロデビュー。2013 年に那須ブラーゼンに移籍、選手兼取締役運営マネージャーに就任。シーズン末に現役引退。
2016 年より那須ブラーゼン運営会社「NASPO ㈱」代表取締役社長を務める。