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  宇都宮ブリッツェン コラム【第27回】
 
岡の覚醒で、増田とのダブルエース体制が実現!
後半戦もUCIレースでの好成績に期待!

国内サイクルロードレースシーズンも後半戦に入った。前半戦を振り返ってみると、宇都宮ブリッツェンは主戦場とする国内ツアー戦のJプロツアーで4勝、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際レースでステージ1勝、個人総合時間でも出場した全レースで上位争いに絡む活躍。そして、全日本選手権個人タイムトライアルでワンツーフィニッシュを飾り、ロードチームに初のナショナルチャンピオンジャージをもたらすなど、しっかりと結果が伴った内容だった。
 
 その要因を探ってみると、ツアー・オブ・ジャパンでの不運な落車はあったものの、絶対的エースの増田成幸が実力通りの走りを見せていると、それを支えるアシスト陣もきっちりとその役割を果たしていることなど、チーム全体が上手く回っていることが挙げられる。そして、最も大きなポイントになるのが、岡篤志の覚醒だと感じている。
 
 2017 年にブリッツェンに加入した岡は、それ以前から将来を嘱望される若手の有力選手だった。希望に満ち溢れた未来をイメージしながら本場欧州に挑戦した岡だったが、敢えなく挫折。

その原因とされたのが、メンタル面での未熟さだった。
 
 ブリッツェン加入後の岡を間近で見ていて感じたのが、自身が抱く選手像の理想の高さ。周囲からすれば十分走れているのに、その理想の高さ故にそこに至っていない自分を過小評価し、落ち込んでいく。言わば自爆系の選手だったのだ。

実際、昨季も前半戦終盤にメンタルの底を迎え、全くと言っていいほどレースに集中できていない時期もあった。
 
 しかし、それまでであればその落ち込みは数カ月から年単位で続くこともあったが、ほどなくして復調。自分自身のメンタルとの付き合い方の糸口を掴んだように見えた。そうして迎えた今季、岡はUCI レースのツール・ド・とちぎの個人総合時間で表彰台に迫る4位になると、ツアー・オブ・ジャパンでステージ優勝。続くツール・ド・熊野で個人総合時間2位、全日本選手権個人タイムトライアルでも2位。Jプロツアーでも3勝を挙げて個人ランキングでトップに立つ活躍を見せている。

 これまで、UCI レースでは増田に頼るしかなかった宇都宮ブリッツェンにとって、岡の覚醒は願ってもないこと。
シーズン後半戦もツール・ド・北海道やツール・ド・おきなわ、そして何より地元レースのジャパンカップが待ち受けている。
増田と岡のダブルエースを軸に、さらなる好成績を挙げるブリッツェンに期待したい。
 

小森信道Komori Nobumichi
スポーツの感動を「コトバ」で読み解き、写真で伝える、編集事務所ハットトリックカンパニー代表。2011 年より宇都宮ブリッツェンオフィシャルとしてサイクルスポーツの取材を始め、現在では新聞連載やweb メディアにも数多く寄稿するなど活躍の幅を広げている。
サイクルメディアグループ「Porte au Village」メンバー。