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◎栃木ブレックス コラム

ブレックス経由、豪州行き

Text／篠田和之・Photograph／栃木ブレックス

７月１９日、日本バスケ界全体が驚くニュースが駆け巡りました。「シーホース三河・比江島慎
選手、栃木ブレックスに移籍」それから２４時間もたたないうちに宇都宮市・オリオンスクエア
で開かれた「異例の」公開入団会見には、平日の午後にも関わらず400 人近くのファンが集まり、
ブレックスのポロシャツに身を包んだ「日本代表のエース」への歓迎・期待のムードに包まれました。


鎌田眞吾代表は今年の年明けから交渉の意思を伝えていたことを明らかにした上で「日本バスケを
引っ張ってくれる選手を獲得し、責任を感じている。チームとして（比江島選手の）成長に貢献し
たい」と締まった表情で話しました。


この契約には「もし海外に挑戦するときはチームとしてサポートする」という条項があり、８月２日、
今季はオーストラリアNBL「ブリスベン・ブレッツ」でプレーすることが発表されました。

比江島選手、そして日本バスケットボール界が目指すのは「Ｗ杯本戦出場→東京五輪開催国枠獲得」です。
３年目のＢリーグは、リーグ全体をさらに盛り上げることだけでなく、日本代表を世界の舞台に上げるべく
一致団結しなければなりません。その難しいタスク成功につなげるために、ブレックスは大きな役割を背負
いました。


比江島選手が挑戦するオーストラリアNBLを簡単に紹介します。豪州トップカテゴリーに位置するNBLは８
チームが参加し、１０月から２月まで全２８試合を戦います。上位４チームがプレーオフに進出。「ブリス
ベン・ブレッツ」は豪州代表のアンドレイ・レマナスヘッドコーチが兼任で率いていますが、昨季はなんと
９勝１９敗で最下位。豪州代表のエース、ダニエル・キッカート選手（PF）がいましたが、今季は別チーム
へ移籍。入れ替わりで同代表のキャメロン・グリドン（SG/SF）、ジェイソン・キャディ（PG）両選手が加入し、
巻き返しを図ります。さてプレーオフまで行けるかどうか。

比江島選手の移籍は、やはり６月にオーストラリアに勝ったＷ杯予選が効いているようですね。日本バスケの
レベルアップという大局的な視点で見れば、これを機に海外に挑戦する選手がさらに出てきてほしいです。



 

７月28・29 日に、宇都宮中心市街地の二荒山神社バンバ広場にて、３人制バスケットボール
クラブチーム世界一決定戦「2018FIBA 3x3 World Tour UtsunomiyaMasters」が開催され、
昨年優勝のセルビア「ゼムン」など、14 チームが出場した。３回目の開催となる今年は、約２
万６ ,５００人が来場し暑さに負けず熱く声援を送った。

日本代表を決める予選大会決勝で惜しくも岡山に負けてしまった、ブレックス.EXE は開催地枠
で出場。しかし、予選リーグで連敗し敗退。だが、集まった観客は、世界レベルの速い展開で迫
力あるプレーに優勝が決まる最後まで熱い声援を送った。

篠田和之
Shinoda Kazuyuki

Profile
フリーアナウンサー。宇都宮出身。
とちぎテレビ「とちテレニュースLIFE」キャスター。
株式会社ラテールプロモーション代表取締役。
Jリーグ・Bリーグ・アイスホッケー・野球など多くのスポーツ実況を手がける。