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栃木ブレックスコラム【第17回】 実況アナウンサーが見た今季の展望
 



Bリーグが開幕しました。今シーズンはワールドカップ2次予選と並行し、日本男子バスケ

を東京五輪につなげるための大切な年になります。国内リーグが盛り上がらずに代表は強く

なりません。ぜひ多くの試合をアリーナでご覧ください。

では今季を展望してみましょう。
 

[東地区]
 

昨季優勝時とほぼ変わらぬ戦力で攻守に質の高いアルバルク東京はFIBA アジアクラブチャンピオンシップで大活躍しました。攻撃に破壊力がある千葉ジェッツ(NBA 経験のあるトレイ・マキニー・ジョーンズ選手と欧州で長くプレーしたジョシュ・ダンカン選手は良い数字を残すと思います)、良い守備から速攻を生み出す栃木ブレックス。
この3チームは大崩れが考えにくく、ワイルドカード1枠を含めたチャンピオンシップの椅子を占める可能性が高いと見ます。
レバンガ北海道はブラジル代表監督として五輪・W杯に多数出場したジョゼ・ネト新ヘッドコーチの手腕に注目。秋田ノーザンハピネッツはB2で実績を上げた選手を多数獲得し、早くB1の水に慣れたいところ。サンロッカーズ渋谷はアーリーカップでの衝撃的な敗戦をどう活かすか。特にバックコート陣がどれだけ成長できるかがカギになると思います。
 

[中地区]
 

川崎ブレイブサンダースは日本代表の篠山竜青・辻直人、運動能力が高い新外国籍2人、帰化したニック・ファジーカスの5選手が同時にコートに立てるのはもはや反則級の破壊力。
シーホース三河は橋本竜馬・比江島慎両選手の抜けたバックコートに不安があるが力量は上位でしょう。主力が変わらず藤田弘輝ヘッドコーチ3年目で上積みが見込める三遠ネオフェニックス、元トヨタのドナルド・ベックヘッドコーチが就任し効果的な補強に成功、宇都直輝選手に過度に依存しないスタイルが作れそうな富山グラウジーズに一角崩しの期待。
新潟アルビレックスBB は守備の立て直し、そして得点王ダバンテ・ガードナー選手以外の得点源ができるかがカギ。横浜ビー・コルセアーズはトーマス・ウィスマンヘッドコーチのもとチームを再建、まずは3年連続残留プレーオフ回避から。
 

[西地区]
 

アーリーカップ後に行われたアジアの国際大会「テリフィック12」で優勝した琉球ゴールデンキングスは橋本竜馬・並里成の加入で局面に応じたゲーム運びの幅が広がりそう。中心部分はほぼ変わらず「速さ」を追求している名古屋ダイヤモンドドルフィンズが地区優勝のライバルか。
大阪エヴェッサはプレシーズンゲームで見ましたが、上位進出のためには日本人選手のステップアップが欲しい印象。地元の高校で育ちB1で実績ある選手を獲得したライジングゼファー福岡は、昨年富山でプレーしたデクスター・ピットマン選手の加入でインサイドが強くなることは確実で、どこまでやれるか楽しみです。滋賀レイクスターズは新加入の伊藤大司・荒尾岳両選手の「勝者のメンタリティ」がどこまで浸透するかが見たい。京都ハンナリーズは相次ぐ不祥事から立ち直れるか、試練のシーズンに。


 

 


エアアーチと大きなブレッキーがファンを迎えてくれるブレックスアリーナ宇都宮。
コートはゴール下(ペイントエリア)が黄色に塗り替えられ、選手入場曲とともにNBA を連覇しているゴールデンステート・ウォリアーズの本拠地、オラクル・アリーナのような雰囲気に。


 

試合の最大のポイントは、富山グラウジーズのゴール下に仁王立ちする208cm/138kg の「東の横綱」ジョシュア・スミス選手を絡めた攻撃をどう止めるかでした。
前週・ライジングゼファー福岡との開幕戦で「西の横綱」デクスター・ピットマン選手にリバウンド争いで勝ったことで良い予習ができたとも言え、その後対策を練ったブレックスは第1 戦の立ち上がりからスミス選手にダブルチームを仕掛ける守備を繰り返して主導権を握りました。攻撃ではボールをよく動かし3Pシュートが12本も成功。中でも第2クォーター終わりに鵤誠司選手が自陣フリースローライン付近から決めたブザービーターはチームとファンを勢いづけました。終わってみれば今季初の100 点ゲーム。


第2戦。ブレックスはリングに活発にアタックするも、フリースローや外角シュートが不調で得点が伸びない。
富山はスミス選手を起点とすることにこだわらない戦い方に修正、レオ・ライオンズ、宇都直輝、水戸健史の各選手の活躍もあり接戦に。
3クォーターにライアン・ロシター選手の20得点を含む計34得点で突き放すと、第4クォーターに富山が12-0のランで逆転に成功し残り2分。
しかし「逆転された感じがせず落ち着いていた。守備からやっていけば」(田臥勇太選手)、「第3クォーターで走り合いになってもいいから、うちが体力的に勝る状況を作ればいいという状況。
これがラストの攻守につながった」(安齋竜三ヘッドコーチ)とチームは動じませんでした。
富山が終盤仕掛けたゾーンディフェンスを破るロシター選手の3P、そして渡邉裕規選手が3P・2Pを連続成功させる「ナベタイム」で激戦に決着。


今季、選手を3人残して大幅に入れ替えた富山に「熟成度」そして「ホームの力」で勝り、Bリーグになって初の開幕4連勝、ホーム開幕戦連勝を飾りました。
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篠田和之
Shinoda Kazuyuki

Profile
フリーアナウンサー。宇都宮出身。
とちぎテレビ「とちテレニュースLIFE」キャスター。
株式会社ラテールプロモーション代表取締役。
Jリーグ・Bリーグ・アイスホッケー・野球など多くのスポーツ実況を手がける。