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◎栃木ブレックス ゲームレポート
天皇杯準優勝 Text/佐藤成美・Photograph/栃木ブレックス
 
バスケットボールの日本一を決める「天皇杯全日本選手権」は、さいたまスーパーアリーナで決勝が行われ、プロバスケットボール男子B1 リーグの栃木ブレックスは、同じB1の千葉ジェッツに延長戦の末、71 対69 で敗れて初優勝を逃した。

ジェッツは、大会史上7チーム目の3連覇を達成。
さいたまスーパーアリーナの観客席は、9,000 人を超える来場者で、お互いのチームカラー、黄色と赤に染まった。
応援に駆けつけたファンたちがチームを全力で応援し、試合は手に汗握る大接戦となった。

前半は、ブレックスの堅い守りで千葉の攻撃を封じて、遠藤佑亮選手のシュートやジェフ・ギブス選手の身体を張ったゴール下のプレーなどで最大12点差を奪うなどの活躍で、前半は32-26 で折り返す。

後半第3Qからは、ジェッツが攻撃のリズムを取り戻し一進一退の攻防になり、互いに譲らない展開となる。
千葉のギャビン・エドワーズ選手の激しい攻めや、西村文男選手に3連続シュートを許すなどして追い付かれ、試合は60対60で延長戦へ。

延長戦は、残り17秒でブレックスのライアン・ロシター選手がフリースローを2本成功させ1点リードとしたが、残り2.6 秒で富樫勇樹選手に勝負を決める3ポイントシュートを決められ逆転され71-69 で敗れた。

全体的にみればブレックス優勢の試合だった。
試合後、安齋竜三ヘッドコーチは結果について、「試合自体もプラン通りにある程度は進んでいったが、コミュニケーションなどの1つの細かいミスが高いレベルになるにつれ結果に直結する。レギュラーシーズンに切り替えて悔しさを晴らしていきたい」と語っている。

勝負を掴みとるチャンスはたくさんあったが、千葉の激しいマークでボールがうまく回らずゴールまで至らない場面が続いた。

遠藤祐亮選手は、「勝負どころのミスで負けてしまった。決めきることやオフェンスの判断ミスを詰めて点数を伸ばせるようにしていきたい」と試合を振り返っている。

一方、ジェッツを率いる大野篤史HCは、試合後の会見で「ディフェンスで我慢して自分たちの攻撃のリズムを取り戻した」と話し、逆転3ポイントシュートを決めた富樫勇樹選手は、「レギュラーシーズンでやってきた積み重ねが勝利に繋がった。
自分のシュートの確立が悪かった中、最後に信頼してくれたHC や仲間、ファンの声援の後押しで決めきることができた。」と語っている。

千葉のこれまでレギュラーシーズンで積み重ねてきた苦しい状況の中での“勝負強さ” に圧倒された試合だった。

このブレックスの悔しい敗戦は、大きくチームを成長させる糧になること違いない。
攻撃の面が課題になっているが、1月から比江島慎選手が加入し、これからどんなチームに進化を遂げていくのか、期待は膨らむばかりだ。
 
 
 
 
天皇杯準優勝
 
準決勝・決勝と劇的な試合が相次いだ天皇杯。
栃木ブレックスは千葉ジェッツに延長までもつれ込んだ死闘の末惜しくも敗れ、悲願の初優勝はなりませんでした。

けが人などの影響で少人数での戦いとなった大会。
3日連続でブレックスメンタリティをフルに発揮した選手たちに拍手を送りたいと思います。
こういう試合は新しいファンをきっと増やしてくれます。
この大会を通じてバスケ全体が盛り上がってくれれば、バスケ界全員が「勝者」です。

アーリーカップ関東はアルバルク東京、天皇杯は千葉(ブレックスはともに準優勝)。
ならばチャンピオンシップはブレックスが!
チームもファンも大いにモチベーションが高まったのではないでしょうか。
さあ、後半戦が始まります。

Hiejima Time! 

オーストラリアNBL のブリスベン・ブレッツを退団した比江島慎選手がブレックスに加入しました。
ブレッツではなかなかプレータイムをもらえず日本のバスケファン一同はがゆい思いをしていたのですが、また新しい挑戦が栃木で始まります。

比江島選手が加わることでバックコート陣の負担が軽減されることは間違いなく、かつチームの武器である組織的な攻守に比江島選手の十八番「1on1」やここ一番を任せられる得点という要素が入ればさらに戦術の引き出しが増えるでしょう。

チームは新機能を搭載し「BREX ver.2019 改」にアップデートしてチャンピオンを目指します。
そして2月に行われるW杯予選最終戦で本大会(8月・中国)の切符を獲得するミッション成功のために全力で頑張ってほしいと思います。

後半戦のみどころ

東地区

天皇杯で激闘を繰り広げた栃木・千葉がリーグ全体でも勝率1・2位。
ここに前半戦は強豪との対戦続きで苦労した東京が追い上げてくるのは間違いない。
この3強はワイルドカード1枠目を含めてチャンピオンシップ(CS)に進む可能性が高いだろう。

中地区

得点1位のガードナーを擁する新潟アルビレックスBB の勢いがどこまで続くか。
それを追う川崎ブレイブサンダース・富山グラウジーズ・シーホース三河とでCS争いは大混戦。

富山は千葉・東京・琉球ゴールデンキングスと、三河は栃木・千葉・琉球と今季未対戦。
一通り強豪と対戦した川崎は新潟と未対戦(6試合残し)。
復調気味の川崎がやや有利と見ますが、最終盤までもつれるでしょう。

西地区

首位の琉球はジョシュ・スコット、2位・名古屋ダイヤモンドドルフィンズはジャスティン・バーレル。
チームの要がケガで長期離脱してしまい、シーズン前の「2強」との見立てがぐらついている。

名古屋を星1~2つ差で追っている京都ハンナリーズ・大阪エヴェッサはともに代表戦中断前(2月10日)まで骨のある相手が続き、ワイルドカード2枠目まで視野に入れると、

CS争い生き残りのための重要な期間となりそう。
 

篠田和之Shinoda Kazuyuki
フリーアナウンサー。宇都宮市出身。とちぎテレビ「とちテレニュースLIFE」キャ
スター。株式会社ラテールプロモーション代表取締役。J リーグ・B リーグ・
アイスホッケー・野球など多くのスポーツ実況を手がける。