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宇都宮ブレックスコラム【第30回】
 
開幕で川崎ブレイブサンダースに連敗したものの、直後に7連勝するなど順調に白星を稼いでいる宇都宮ブレックス。


ジェフ・ギブス、竹内公輔の両ビッグマンが負傷離脱するピンチを迎えるもリーグ戦通算2回目の先発のチャンスを得た日光市出身・橋本晃佑選手の台頭で千葉ジェッツ・サンロッカーズ渋谷の難敵に3連勝。

そして今月初めのアルバルク東京とのホーム2連戦は激しい守備のやりあい、ボールを持っていない選手同士やベンチの駆け引きなど実に質の高い内容で1勝1敗。


あと4回の対戦もしびれる好勝負になること必至でしょう。

 まだ序盤戦ですが、昨シーズンまでと明らかに違うプレー傾向が出ています。今後も注目していただきたいので数字を挙げてご紹介します。
今季の数字は東京戦までの12試合の集計です。



3pシュートの試投数(1試合平均)
17年18.2→昨季21.3→今季25.6

安齋竜三ヘッドコーチ(HC)は今季「スペーシング」を新たなテーマとしています。

ごく簡単に言うと「良いポジショニング(位置取り)をして良い攻撃につなげましょう」ということです。
加えてビッグマンが積極的に外から打つことも取り入れています。


 この成果が出ているのか、試投数が昨シーズンより4本増え、成功数も優勝した16年シーズンから3本近く増えました。
スペーシングが良く、ボールを動かし続ければ必ずノーマークで打てる選手が出てくる。


安齋HCは1試合で30本打つことを目標に掲げています(今季最高は37本)。


 実は他にもこの傾向が出ているチームがあります。1試合平均試投数で川崎が昨季より7本、東京と琉球ゴールデンキングスが4本増えていて、いずれも白星先行に。
逆に石井講祐選手が抜けた千葉や、金丸晃輔選手がなかなか打たせてもらえないシーホース三河は昨季より減っていて、成績も苦戦中です。


 お気づきの方がいらっしゃると思いますが、これはワールドカップで見られた「世界のトレンド」です。

マルク・ガソル選手(スペイン)やニコラ・ヨキッチ選手(セルビア)のようなビッグマンがどんどん3pを打つ。

そしてペイントの外からの2p(ロング2)が減り、きちんとノーマークを作っての3pが増えた。

日本はそれで世界との差を痛感しました。 

それを埋めるために、東京五輪で世界と渡り歩くために。


ブレックスなどBリーグから世界に追随する動きが出ているのは良いことだと思います。

そして橋本晃佑選手は今のトレンドに合致しています。

昨季から3番ポジション(スモールフォワード)にも挑戦していますが「あのサイズの3番が代表には必要」と安齋HCも期待をかけています。


さらなる開花を期待しましょう。

 これから見ていただきたいポイントは…

 (ゴール下より難しいのに点数は同じ)「ロング2より3P」。

逆に言えばよほどのノーマークでない限り、ロング2を打たせたらディフェンスの勝ち。

 

篠田和之Shinoda Kazuyuki
フリーアナウンサー。宇都宮市出身。
とちぎテレビ「とちテレニュースLIFE」キャスター。
株式会社ラテールプロモーション代表取締役。
J リーグ・B リーグ・アイスホッケー・野球など多くのスポーツ実況を手がける。