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栃木ゴールデンブレーブス コラム【第15回】栃木ゴールデンブレーブス  八木健史選手インタビュー
 
◎栃木ゴールデンブレーブス
八木健史選手インタビュー

Text/高村麻代・Photograph/鈴木誠一


かつて福岡ソフトバンクホークスに在籍し、群馬ダイヤモンドペガサスではリーグ優勝と、若いこの
チームの中では〝経験豊富なベテラン選手〟と言える八木健史選手。

バッテリーコーチを兼任し、今季は一塁手として出場しながら今季加入の内山太嗣捕手への指導に力を注ぐ。
シーズン前の過酷なトレーニングの期間中「いくら練習しても不安」だと口にしていたが、その成果は打撃
に表れ、本塁打・打点ともにリーグトップ5入り。若手育成の責任感と、栃木のファンとプレーオフ進出と
いう夢を背負ってグラウンドに立つ29歳は、シーズン終盤をどう駆け抜けるのか。
(成績は全て7/29 時点のもの)
 

―今年の猛暑はかなりきついのでは?


さすがにちょっと夏バテ気味です。今までは、こんなことなかったんですけど、試合中
も試合後も体が重い感じ。今年の異常な暑さのせいなのか、歳なのか(笑)昨季はDH
で出ることも多かったんですけど今年はあまりDHないので(フル出場が続いて)疲れ
が溜まってるのかもしれないですね。
 


―(捕手ではなく)一塁手で出ることに関しては?


キャッチャーで出たいと思うこともあります。ただそれは、自分が元々キャッチャーだった
からやりたいというよりも、負けが続いた時、何か変えたほうがいいんじゃないかと思うとき。
外(一塁)から見ているのと実際にリードするのは違いますけど、試合中もずっと配球を考え
てます。

たまに違うキャッチャーが出ることで内山に何か考えてもらえるんじゃないかと。
 


―実際、一塁からタイムを要求してマウンドにいったこともあったが?


通常野手はタイム取ってマウンドに行くのは難しいですよね、ピッチャーの間合いも気になるんで。
あれは(7/21 群馬戦)、前田(大佳投手)が調子よかったのにピッチャーゴロのエラーから失点して、
その後のバッターに対してボールが2球続いて、球も浮いていた。ひと呼吸おいたほうがいいと思って、
すかさず行きました。

試合後は、あの場面での攻め方について内山と話しました。エラー後の攻め方で、2ストライク目の空振
りは何の球だったのか、前の打席に三振したのはどのボールだったのか、同じ球種でいく必要があるのか、
と突き詰めていく。自分は「結果球(けっかきゅう)」を大事にしています。結果球というのは、ヒットに
なった球、三振した球、ホームランになった球、ゴロで打ち取った球、その結果が決まった球。試合中は全部
頭に入れておく。打ち取った球だからといって同じ球を要求しても、ピッチャーは投げきれないことが多いの
で、球種を変える、コースを変える、どう組み立てていくのか。ファーストにいても考えています。

アドバイスする時に全ての場面がわかってないと、具体的なことが言えない。「あそこで打たれちゃダメ」と
いう漠然としたことは言いたくない。大事なのは「なぜその球を要求したのか」。打たれても、きちんと考え
た結果なら仕方ないです。それを「違うだろ!」と怒るのではなく「こういう攻め方もあったんじゃないか」
と提案して、選択肢を増やして欲しい。リードで「絶対これが正しい」というのはないんです。すべて結果
論なので。最後は自分を信じてリードするしかないです。配球に根拠をもっていないと、成長できない。
 


―昨季と心境の変化もある?


去年は自分がキャッチャーで出ていたので、ピッチャーにアドバイスすることが多かった気がします。今は
バッテリーコーチとしてより、同じキャッチャーとして思ったことを伝えているだけ。それで成長してくれ
たら嬉しいし、内山が頑張ることでチームが勝つ確率も高くなるってことです。ただ、自分が20代前半で
体力がバリバリあったら、ライバルにそんなアドバイスはしなかったかもしれないですね(笑)

 


―自身の打撃は好調。本塁打王争いに絡んでいるが?


トップ5といってもギリギリ(12本でリーグ5位)。シーズン前の目標は10本だったので去年に
比べたらかなりのハイペース。

好調の理由は、当たり前なことですが冬場に必死に練習したからですね。いくらやっても足りないく
らいでした。そのおかげか、前半は調子よかったんですけど、なぜか後期に入ってペースダウン。暑さ
でウエイトが落ちたかもしれません。周りからの期待も大きくて20 本という声も聞こえてきてるので、
出来る限り打ちたいとは思います。小山(運動公園野球場)はホームランが出やすいので、相性のいい
ピッチャーの時チームの状況によっては確実に狙ってます。

打撃が調子良いのは、逆方向を意識するようになったから。去年は追い込まれても(HRを)狙ってま
した。チーム打率もそんなに良くなかったので、繋ぐよりも自分で1点という気持ちが強かったですが、
今年は村田(修一)さん飯原(誉士)さんの加入で打線がぐっと良くなったし、村田さん本人も繋ぐバッ
ティングを見せてくれて、意識が変わりました。このまま3割はキープしたいですね。

 


―終盤、巻き返していくには?


バッテリーがチームの軸になっていけるかが勝負。後期に入って良くなってきているけど、まだ群馬ダイ
ヤモンドペガサス、福島ホープスの上位チームに苦手意識があるように見えます。そこをなんとかしないと、
上に食い込むことはできない。ピッチャーもバッターも、簡単に調子が変わることがあるんで、良くなるの
もちょっとしたこと。相手に食ってかかるくらいの勢いを全員で持って攻めていきたいです。

 


―9月9日(最終戦)をどういう形で迎えると思う?

今季、現役を続けた理由の一つが「栃木のファンをプレーオフに連れていきたい」という思い。自分一人で
どうこうできるわけじゃないけど、それだけはシーズン前から変わりません。

こんなに応援してもらえるチームは他にないです。正直、今の成績ではかなりハイペースで勝っていかないと
いけないんですけど、諦めてないです。勝つしかないです。目の前の一勝に集中していきます。応援よろしく
お願いします。
 
◎栃木ゴールデンブレーブス

八木 健史
Yagi Takeshi

Profile
#27
1990 年1 月13 日生まれ
185cm/82kg
東京都出身
右投/ 右打
横浜ベイブルース →群馬ダ
イヤモンドペガサス →福岡
ソフトバンクホークス →群馬
ダイヤモンドペガサス
 
高村麻代
Takamura Mayo

Profile
NHK各局(津→長野→新潟→宇都宮)で、テレビを中心にキャスター・リポーターを勤める。 フリーアナウンサーとして、CRT栃木放送やFMくらら857でパーソナリティを務めるほか、 ブライダルやイベントのMC、ナレーション、地域誌のコラムなども担当。