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栃木ゴールデンブレーブス コラム【第17回】
 
 

目標はNPBに行くこと。

公式戦を終え、チームはオフシーズンに入ったが、選手たちに「休み」はない。

シーズン中に好感触を得た選手、今季伸び悩んだ選手、怪我からの再起をかける選手、いずれも目指すのは「NPB」への道。
9月下旬と10月上旬に行われたBCリーグ選抜チームとNPB球団(ファーム)との交流戦では、各チームから選ばれた選手だけがNPB球団の目に留まるチャンスを得た。

宮地克彦ヘッドコーチ曰く「シーズン中良くても悪くても、このタイミングで自分の全てを出し切れるどうか」。
ゴールデンブレーブスから選出されたのは投手・野手計4名。
チャレンジャーの一人、BCリーグ一の強肩で最注目のキャッチャーと言われる内山選手に今の心境を聞いた。

 


―まずは、初のBCリーグシーズンを振り返って。

とにかく学ぶことが多かったです。1年目(今季)は試合に出られるとは思っていなかったから、八木さん(八木健史バッテリーコーチ兼選手)のプレーを見て学んで、後期から出られたら良いなと思っていたのに、思いがけず最初から使ってもらって、本当に充実したシーズンでした。
以前は、一人で満足してしまったり、つまづいたりする場面が多かったけど、守備はずっと八木さんにみてもらって、打撃は飯原さん(飯原誉士コーチ兼選手)に教えてもらって毎日があっという間でした。
他のチームのキャッチャーからも、羨ましいと言われるほど。(約半年のシーズンは)すごく短かった。
かなりきつい時期もありましたけど、イヤだと思うことがなかったのは毎日やるべきことがあったから。
社会人の3年間は、上手くいかないことが多くて、遠回りしているんじゃないかという気持ちでいたけど、ブレーブスでの1年だけでも成長できたんで、まだ先があると思えました。

 



―社会人野球との違いは?

試合の数が違います。試合でしか学べないことも多くて、その課題を八木さんのアドバイスのお陰で次の試合ですぐに実践できたのが大きかったです。
社会人だと、年間で二大大会(日本選手権と都市対抗)を目指すので、日々の目標を持ちにくいかなと感じていました。
けど、社会人野球はトーナメントならではの負けたら終わりっていう中で、大人たちの必死さが好きでした。
そういう気持ちは忘れたくないし、今は(プロの)リーグでシーズン通して戦うっていう難しさも感じてます。

 



―成長できたという手応えは?

もともとスローイングには自信があったんですけど、そこもさらに上達できたと思います。
入団当初から「もっとできる」と宮地ヘッドコーチや八木さんに言われていて、具体的にどんなことなのかわからなかったけど、シーズン初めと途中に撮った動画を見比べると全然違った。
それまでは肩の強さだけだったのが無駄が少なくなって、速さもあがってコントロールも良くなりました。

 



―その上でBCリーグ選抜に行った感触は?

選抜のときに、社会人で一緒だった先輩から「上手くなったな」って言ってもらって、BCに来たことは間違いじゃなかったと思えました。
シーズン中もNPB(ファーム)と対戦することはあって、良いところ見せようと空回りしてしまったんですけど、今回は「なるようにしかならない」と吹っ切れて、冷静にプレーできたかな。
自分の良いところは出せたと思います。
ただ、相手が盗塁をしてくれなかったので、実際にランナーを刺すことはできませんでした。
それでもイニング間の送球でも評価してもらえたと思います。

 



 ―橋詰循投手をリードしたが?

雨が降っていて、大変な状況でした。点は取られたけど、ヒットは打たれなかったです。
力でねじ伏せたという感じで、スピードはしっかり出ていたので印象は悪くないはず。
循さんもアピールはできたと思います。対戦したヤクルト(ファーム)の選手を見て、以前は「めっちゃうまい」と思って差を感じたけど、今回はいい意味で「大丈夫だ」と普通に構えられました。

 



―希望の球団は?

指名されるならどこでも。青森ではテレビで巨人戦しかやってなかったんで、そんなに一つのチームへの憧れはないんです。
都市対抗とか日本代表戦、高校野球は良く見てたんですが、NPBはあんまり…。
もちろん、選手として最終的な目標はNPBに行くこと。高校時代も、甲子園以上にNPBに行くことばかり考えてました。

 



―そこに近づいた感覚はある?

やっと「らしくなってきた」というか、指名があるかな、と思えるところまで来ました。
もう少し若ければもっと有利かなとも思うけど、八木さんに出会えたことも含めて、これが自分のタイミングだと思ってます。
今は、シーズン中の感覚を落とさないように調整をしっかりやってます。

 



―10 月25 日(ドラフト当日)はどうする?

指名されたら良いですよね~。そうしたらお世話になった人たちに、やっと恩返しできる。
一番はじめに報告するのは、きっと高校の監督ですね。親は好きなようにやればいいというスタンスなので、後からゆっくり(報告する)。
高校の監督は、中学にスカウトに来たときに「ずっと面倒見るから」と言われて、実際、ずっと気にかけてくれてます。
高校時代はかなり喧嘩しましたけど、それも期待してくれたからだと思うし、卒業したあとも見捨てずにいてくれて、心強い存在です。
今だにしょっちゅう電話が来るので、良い報告がしたいですね。

 



―最後に栃木のファンへ。 

栃木のファンのみなさんには本当に世話になりました。シーズン中、どんな劣勢でも温かい声をかけてくれて背中を押してもらいました。
ドラフト指名してほしいけど、半分くらいは、もう1年くらいここでやりたい気持ちもあります。
自分はまだまだなんで、栃木でもう1年やらせてもらうことになったら、今度は中心になってチームを引っ張るくらいになりたいです。
これからも応援をよろしくお願いします。
 
 
イメージ
 
内山太嗣
Uchiyama Taishi

Profile
1996 年4月21 日、青森県出身
172cm/77kg、右投/ 右打
八戸工業大学第一高校 →トヨタ自動車東日本→栃木ゴールデンブレーブス
 
高村麻代
Takamura Mayo

Profile
NHK各局(津→長野→新潟→宇都宮)で、テレビを中心にキャスター・リポーターを勤める。 フリーアナウンサーとして、CRT栃木放送やFMくらら857でパーソナリティを務めるほか、 ブライダルやイベントのMC、ナレーション、地域誌のコラムなども担当。