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H.C.栃木日光アイスバックスコラム【第18回】
 

◎H.C.栃木日光アイスバックス コラム


10月6日苫小牧での王子イーグルス戦を皮切りに、11月4日新横浜で再び王子に勝って破竹の8連勝!
バックスは最多連勝記録を見事に更新した。

 


10月はみごと6戦無敗。
ホームでのハイワン戦、デミョンキラーホエールズ戦では苦しい局面を打開しての勝利もあった。
10月28日のデミョン戦では残り42秒で坂田駿が強烈なシュートをたたき込み、古巣への“恩返し” で6連勝とする。

そして「強さは本物か?」を占う意味で注目されたのが、11月3・4日に新横浜で北海道の強豪2チームを迎え撃った2連戦。今季開幕カードで2試合11点を奪われ惨敗を喫
した日本製紙クレインズが11月3日の相手。
試合開始時点では首位を走るクレインズにバックスがどれだけ食い下がれるか、という思いで見ていたファンも少なくなかったはずだ。
ところが、バックスはファンの予想を遙かに超えるパフォーマンスを見せてくれた。
第1ピリオド5分に大津夕聖がGKの左肩側のコーナーを狙ってシュート。
「ゴール近くのいい位置にいるのが見えたので、合わせてくれると信じて打った(大津)」というパックを「身体を張ってゴール前に入ったときに、大津選手がいいシュートを打ってくれた」とドンピシャのタイミングで寺尾勇利が合わせてゴール。
「先制点が重要だと分かっていた。ゴールは10月の王子戦以来無かったので本当に獲りたかった(寺尾勇利)」という得点でバックスは波に乗り、ここから華やかに“寺尾祭り” が開幕だ。

同点で迎えた第2 ピリオド11分には古橋真来の突破から弟・勇利が鮮やかに決めこの日2点目。
その直後、13分のパワープレーでは負けじと兄・裕道もゴールを決める。
さらに大津のスラップショットも決まり、第2ピリオドを終えて4-1に。

さらに第3ピリオドは首位クレインズの選手が何もできないほどの迫力で攻め続けた。
ヨーナス・アランネ、岩本和真、そして古橋真来が立て続けにゴールを決めるなど、まさにオールスターキャスト勢ぞろい。
寺尾兄弟は2人で3ゴール5アシストと大暴れし、7-3の快勝を演出。
これにはアリペッカ・シッキネンヘッドコーチも「今季ベストの10分間」と納得の表情だった。

また翌日11月4日の王子イーグルス戦も盤石な勝ち方。
開始31秒で佐藤大翔のシュートを寺尾勇利がゴール前で合わせて王子から“秒殺”。

その後も終始試合の主導権を握りつづけたバックスは、この連戦からチームに合流したロシア人助っ人、アルテョーム・ドロフェーブのゴールも飛び出すなどして4-2と危なげなく勝ちきった。
これでバックスは通算成績を11勝6敗とし勝ち点は30。
リーグ戦で丁度半分の試合を終えた11月4日の時点で、アニャンハルラとは勝ち点1差の2位に付けて折り返した。

では、何でこんなにバックスは強くなったのか? ハイワン戦後のDF河合龍一の言葉にヒントが。
「FWもDFもシュートブロックで身体を張ってくれるし、当たらなくてもシュートの軌道上に入ってくれている。そういうプレーが出れば、GKまでシュートが届かないですから僕らDFからしても守りやすい」。
背景には選手達の気持ちの変化があると、ベテランは指摘する。
「身体を張ったプレーは『気持ち』からなんです。選手一人ひとりがどれだけ勝ちたいか、自分のシフトでどれだけ守りたいかという気持ちになれば自然と身体が動いて、そこにパックが飛んでくる。僕の経験ですが『勝ちたい』とか『止めたい』という強い気持ちを持っているとき、目に見えない力なのか、パックが自分の身体に飛んでくるようにな
る(河合)」。

誰かがミスをしても別の選手が献身的にカバーするなどで、前半戦でよく見られたミスからの失点は激減。
選手達が勝利へ一体となって戦っていることが随所から感じられるようになった。

バックスはこの後、11月24日から12月2日まで約10日にわたる韓国遠征となる。
帰国してから1 週間ほどの調整期間を経て、12月14~16日で全日本選手権(東京・東伏見)だ。

もう何度も経験しているとはいえ、異国でのコンディション調整は難しいもので、例年バックスはこの韓国遠征を苦手としてきた。

しかし、今季は悪条件を克服できる地力がついているようにも思える。
韓国遠征6試合中4勝以上を挙げて勝ち越して日光に戻れるようなら、チームの力は本物だ。
コンディションを崩さず、ケガ人も出ない形で韓国遠征を乗り越えられれば、12 月の全日本選手権での「2014 年以来2度目の頂点」も手の届くところにある。

(※原稿締切後、霧降で王子とのホーム戦が3戦あり、読者の皆さんがこの紙面を手にするとき、連勝が11まで伸びている可能性があります)
 
 
関谷智紀
Sekiya Tomoki

Profile
1971年生まれ。埼玉県入間市出身。
スポーツ番組ディレクターを経てライターに転身。
スポーツのみならず経済、IT、フードなどのジャンルで雑誌を中心に記事を執筆。
アイスホッケー取材は2004年から続けている。