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4月28日よりエストニア・タリンで行われた世界選手権ディビジョンIB(3部に相当)。
 
過去にH.C. 栃木日光アイスバックスを率いた経験もある岩本裕司監督のもと、代表でもキャプテンとしてチームを引っ張った齋藤哲也選手をはじめバックスからは佐藤大翔、伊藤剛史、河合龍一、岩本和真、古橋真来、寺尾裕道、寺尾勇利選手の総勢8人が選出され、それぞれ持ち味を発揮した。

初戦のウクライナ戦では、平野裕志朗選手(AHL スクラントン・ペンギンズ)の先制点を佐藤大翔選手と寺尾勇利選手がアシスト。
2点目も佐藤(大)選手がゴールし、勝利を決定づけた3点目は齋藤キャプテン自らが決めるなどバックス勢が活躍。
3-2で日本が勝利して幸先良いスタートを切ることができた。

第2戦のルーマニア戦では伊藤剛史選手が1アシストを挙げ、第3戦のエストニア戦では古橋真来選手、佐藤(大)選手からのアシストで岩本和真選手が先制ゴールを挙げて5-2の完勝に導くなどバックスの選手がエストニアでも躍動した。
 
「僕たちの役割はポイントを取り、チームを波に乗せること」と大会前に語っていた寺尾裕道選手は1ゴール2アシスト。
世界選手権で兄弟揃って戦うのは意外にもこの大会が初めてだったが、第3戦のエストニア戦からは寺尾勇利選手と同じラインになるなど攻撃面で役割を担った。

齋藤キャプテンは初代表の若手選手とも対話を重ね良いチームの雰囲気を作り出していたし、河合龍一選手もベテランとして、スティックの置き方や相手への対応を若いDFと常に話し合ったり、練習から常に声を出して鼓舞したりなど優勝してのディビジョンIA(2部相当)復帰を目標に掲げて奮闘したが、最終的な結果は2勝3敗の勝ち点6で全6チーム中3位という成績に終わり、残念ながら同ディビジョンに残留という結果に終わった。

優勝の可能性がほぼ消えたオランダとの試合後、齋藤キャプテンは「これが日本の今いる位置のホッケーなのかな……。自分たちでゲームを良くしたり、悪くしたりしてしまった。それをもっと良くしていかないと上のレベルには行けない」と言葉を振り絞った。

今後海外挑戦が濃厚な寺尾勇利選手も「もっとやるべきことがあると思うし、自分も含め選手がこの結果をどう捉えるかで代表の今後も変わると思う」と来季のリベンジを誓っていた。

世界各国も数年前に比べてレベルアップしており、それに対抗するためにも普段の試合から世界を意識して戦うことが求められている、と感じた今回の世界選手権ディビジョンIB。

齋藤キャプテンは岩本監督の目指す日本代表のシステム面を熟知しており、この悔しさを十分に活かして来季に備えてくれるはずだ。
この経験を各選手がバックスに持ち帰り、世界に対抗できるスキルをリーグ戦の舞台からも磨いていってほしいと願っている。
 
関谷智紀Sekiya Tomoki
1971 年生まれ。埼玉県入間市出身。
スポーツ番組ディレクターを経てライターに転身。スポーツのみならず経済・IT、フードなどのジャンルで雑誌を中心に
記事を執筆。アイスホッケー取材は2004 年から続けている。