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H.C.栃木日光アイスバックスコラム【第5回】
 
H.C.栃木日光アイスバックスコラム
今季初勝利から2連勝!
 寺尾(裕)&ヌメリンが本領発揮。
Text/関谷智紀・/MASA、佐野忠司
 


 「5年間やってきて一番楽しかった試合でしたね。アジアリーグ全体を見ても高いレベルのホッケーができているという実感があります。本当に楽しかった」と充実した表情を見せてくれたのは10月1日の試合で2ゴールをマークした寺尾裕道選手。
彼の得点は2点ともパワープレーゴール。しっかりフォーメーションを組み、速いパス回しで相手を翻弄。最後は右サイドのペッテリ・ヌメリンからレーザービームのような鋭いパスがゴール左の寺尾(裕)選手の元へ送られ、あとは軽く合わせるだけ、という形だった。高速でリンクを横ぎるパックの動きに相手DFもGKも完全に左右に振られて追いつかない。
寺尾(裕)は「流れの中で、ヌメリンが通しやすいところはどこかな、と考えながら僕がゴール前に入って、引き出す形でした。(寺尾)勇利、(古橋)真来、(河合)龍一さんの3人も良いポジショニングで、パスが非常に通りやすい状況を作ってくれました」と振り返る。5人のコンビネーションが調和した美しい2ゴールだった。


一方、パスを送る側のヌメリンは「シンプルで簡単なパスを心がければ、パスコースのオプションが増えて主導権をつかめる。そういうパスが多ければ、観客席からは素晴らしいパスワークが展開されているように見えるんです」と語る。プレー中の姿からは想像しにくいかもしれないが、ヌメリンは実はとっても陽気な性格。好きな日本食を聞かれて「キリン!(ビール)」と即答してから「あ、食べ物だったね~」と笑わせたり、「試合への準備は結婚式と一緒さ。1年準備して式は1日だから」なんてことも言う。「ホッケーは人生で一番楽しいこと。いつもそう思っているから、どんな大きな試合でもプレッシャーを感じたことはないですよ」というヌメリン。会見の最後には記者の要望に応えて、名曲・カントリーロードを口ずさみつつ退場するなどご機嫌だった。

 
 
 


 

9月30日は虎の子の1点を守り切った末にこの日が誕生日だった古橋真来選手のエンプティーネットゴールで今季初勝利。
翌10月1日も大津夕聖選手がプロ初ゴールを決め派手なガッツポーズを披露するなど、この2連戦は明るい話題に事欠かなかった。
10月7日からは韓国でのアウエー6連戦。ヌメリンは人生初の韓国上陸となるが、記者が心配していた食事面も「辛いものは大丈夫。問題ないね」と破顔一笑。
「パックを持っているときは、今でもヨーロッパでトップクラスのプレイヤー(シッキネンHC)」というヌメリン。韓国遠征では焼き肉でパワーをつけて、また大活躍してくれそうだ。
「みんな自信を持ってプレーしていたし、今年のウチのホッケーを象徴したようなゲームができた。次の韓国6連戦、相手もハードに来ると思うけれども、
今日のように全員で戦って白星を重ねたいです」(寺尾裕道選手)。期待の新戦力である2人がいよいよ本領を発揮。アイスバックスは上昇気流に乗り始めた。

 
 
 
関谷智紀
Sekiya Tomoki

Profile
1971年生まれ。埼玉県入間市出身。
スポーツ番組ディレクターを経てライターに転身。
スポーツのみならず経済、IT、フードなどのジャンルで雑誌を中心に記事を執筆。
アイスホッケー取材は2004年から続けている。