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栃木SCコラム【第14回】
 
Interview

ドイツから新たな息吹。栃木SCは、今夏の補強として独4部のTuS エルンテブリュックからMF 西谷優希を完全移籍で獲得した。西谷優はMF 西谷和希の双子の兄。5日にチームに合流し、早速練習で汗を流した。益子町出身のJ リーガーがまた1人、地元のクラブに誕生する。
 
リーグ前半戦を終えたJ1。栃木SC は開幕3連敗で12 失点という試練のスタートを切ったものの、第8節から6試合負けなしで第13節には7位に浮上した。ところが同節以降、第21節までの9戦で白星を挙げら
れず成績も急降下、一気に19位まで後退した。そんなタイミングで飛び込んで来た西谷“兄” 新加入のニュース。後半戦が始まる直前、思うように得点出来ていなかったチームに希望の光が射した。ファン、サポーターのみなら
ず、本県のスポーツを盛り上げる活躍に期待が懸かる。

兄:西谷優希

―栃木SC に移籍した理由を教えてください。

日本でやるなら地元の栃木だと思っていました。支えてくれる家族がいる環境で良いプレーを見せて、結果を出したいです。

―子どもの頃に見た栃木SC はどんな印象でしたか。

黄色いユニフォームを着た大きい選手が激しく戦い、速くて強くて巧いイメージで、憧れていたクラブ。そこでプレーできる喜びを感じながらチームに馴染んで、試合
に出ていければと思います。

―弟の和希選手と同じチームでプレーするのは高校(鹿島学園)以来になりますが。
 
もう一度一緒にやりたいと思っていたので、このタイミングでできて嬉しいです。(双子なので)周りに顔を間違えられることはありますが、(自分たちは)サッカー観
が似ているのでやりやすいです。

―自身の持ち味は。

ドリブルとパスで状況を打開したり、チャンスをつくってゴールを決めるところです。

―ドイツでの経験を栃木でどう生かしたいですか。

ボールを奪いに行く力や(相手を)越えていく力、走る力、シュートや前に行く意識を学んだので、そこを出していきたいです。身体が小さい分、大柄な選手とのコンタクトプレーを避けたり、ポジショニングで剥がす動き
をしてきました。自分が生き残っていくためには、得た経験を日本で生かすことも必要になってくると思います。

 
―栃木SC の選手としての思いを教えてください。

地元のクラブでプレーできるのは光栄なこと。チームを勝たせる存在になりたいです。


弟:西谷和希

―優希選手が加入し、心強いところは。


安心してボールを預けられるのと、自分がほしい場所にボールを出してくれるところ。チームにとってもプラスになると思います。仲は良いし、チームメイトですがライバルなので、どっちがより点を取れるか、
活躍できるかを競い合いながら戦っていきたいです。

―チームにどんな好影響を与えると思いますか。

自分の個人技と合わせてアクセントが2つになるので、攻撃に流れができる。自分たちからボールを動かして相手を崩すことが可能になり、攻めのバリエーションが増えると思います。

―お互いのプレーの長所はどこですか。

優のほうが技術が高いですが、自分にはスピードがありま す。自分とは違ったプレーをイメージしてほしいです。


 
 
西谷 優希(にしや ゆうき
Yuuki Nishitani
Profile
MF #41
1993 年10 月5 日生まれ、益子町出身、165cm/58kg。
益子SC ストラーダ→JEF 宇都宮 →鹿島学園高→仙台大
→ヒラル・マロク・ベルグハイム(ドイツ)
→TuS エルンテブリュック(ドイツ)→栃木SC
西谷和希(にしや かずき)
Kazuki Nishitani
Profile
MF #14
1993 年10 月5 日生まれ、益子町出身、165cm/65kg。
益子SC ストラーダ-JEF 宇都宮→鹿島学園高
→流通経済大→栃木SC
 
Column
◎栃木SCコラム
Text /平井久美子
変化を恐れず前を向いて進み続ける。
 
2015 年、リーグ最下位でJ3に降格、1年でのJ2復帰を目指した2016年はリーグ戦を2位で終え、入れ替え戦へ。しかし、その入れ替え戦でツエーゲン金沢に敗れ復帰を逃した。迎えた2017 年は入れ替え戦がなくなり、2位以内に入れば自動昇格。結果、リーグ戦を2位で終えJ2復帰が決定した。復帰が決まったあの瞬間を忘れられないサポーターも多いはずだ。


そんな感動から数か月、2年ぶりのJ2の舞台での戦いは理想通りのスタートとはいえなかった。ホーム栃木県グリーンスタジアムではじまった栃木の今シーズン、対戦相手は栃木同じ時期にJ3に降格し、翌年栃木より一足先にJ2に復帰した大分トリニータ。運命的ともいえる対戦カードだったかが、結果は2-4。前半4分と11分、さらに24分と立て続けに失点。後半12分に大黒将志が1点を返すものの、33分に大分が1点追加。アディショナルタイムに西谷和希が1点を入れたものの時すでに遅し。開幕戦を白星で飾ることはできなかった。


さらに、第2節のファジアーノ岡山FC 戦、3節のレノファ山口FC 戦も試合開始から早い時間帯に失点。そこから失点の流れを止められず、それぞれ0-3、2-5 という複数失点を喫して敗れた。昨年まで堅い守備を誇っていた栃木にとって、3試合で12 失点はショッキングな結果といわざるを得なかった。


初勝利を手にしたのは第4節のカマタマーレ讃岐戦。栃木はこれまでの4バックから3バックに変更、これが功を奏す。前半終了間際に入れた西谷和希のゴールを最後までしっかり守り切り、1-0 で今シーズン初勝利を手にした。
その後、第5節のFC 岐阜戦から13節の愛媛FC 戦まで敗れたのは1試合。失点数もグッと減り、セットプレーでの得点も光った。序盤を取り返すような強さ、このまま右肩あがりでJ2リーグを折り返し、後半戦へ突入することが期待された。


しかし、第16節の大宮アルディージャ戦で0-1 と敗れて以降、勝ちが遠のく。この間、4バックに変更したり、これまでボランチとして出場していたヘニキのポジションを一列下げて3バックの一角に置いたり、他にもさまざまな変化を試みたが、勝ちを手にすることはできず。前半戦最後の試合、ジェフユナイテッド市原・千葉戦も0-1 の黒星で終わった。


後半戦のスタートとなった第22節FC 町田ゼルビア戦。ゴールキーパーには今季初スタメンとなる竹重安希彦を起用。その竹重も含め、前節から3人スタメンを変更しこの試合に臨んだ。


連敗ストップをかけた一戦、チャンスを掴んだのは栃木だった。前半15分、岡﨑建哉が浮き球のクロスをあげると、そのボールを抜け出した大黒がバックヘッドで合わせて技ありゴールを決める。実に第18節の水戸ホーリーホック戦以来の得点。前半の早い時間帯でのゴールは、栃木にとって追い風となる。その後も栃木は試合終了まで集中した守備を継続、ハードワークを続けてこの1点を守り切り勝利を飾った。6連敗をストップ、10 試合ぶりに得た勝ち点3は光が差したような勝利となった。


ここまで思うような結果が出せず苦しんだ時期もあったチーム。リーグ戦はもう折り返しだが、まだ折り返し。ここから上位に上がることも十分可能だ。今後の戦いに向け栃木は、夏の移籍で西谷優希を獲得。
西谷優希は現在、栃木に所属する西谷和希の双子の兄。地元益子町出身のこの2人がグリスタで躍動する姿を想像し、ワクワクしているサポーターも多いだろう。


クラブが掲げるフィロソフィー、常に前に進み続ける「KEEP MOVING FORWARD」。思えば、連敗が続いた中でも、変化を恐れず前を向いて進み続けた栃木。結果がでないこの時期は、サポーターも苦しんだだろう。だが、その
先に待っていたものは大きな大きな勝利だった。残りのリーグ戦も全員戦力で戦い続けよう!(執筆日7月8日)

 
 
平井久美子
Hirai kumiko

Profile
フリーアナウンサー。京都府出身。
栃木放送「ブリッツェンのイナズマRadio!!」パーソナリティ。
スポーツでは、栃木SC応援番組、実況中継・ピッチサイドリポート、高校野球、マラソンリポートなどを担当。
サッカー4級審判員、防災士、アロマテラピー検定1級、テレビ検定3級、元東京ドーム売り子