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2021.06.10

週末は自宅バーベキュー(1)


こんにちは。本澤建築設計事務所の本澤崇です。
新型コロナの影響により、生活のあらゆる面での自粛を強いられる日々が続いていますが、このような時にこそ大切なのが「自分に合ったストレス解消法」ではないでしょうか?
僕は20年ほど前から、週末に予定が入っていない時など、自宅の庭でバーベキューをするのが愉しみとなっていて、全国各地の旬の食材を調理して過ごしています。
このバーベキューというのは、簡単なようで実に奥が深いものです。

一般的にバーベキューの基本となるのは、以下の3点かと思います。

(1)食材
(2)火加減
(3)味付け
(+α)愛情と手間

たった3つの要素+αで構成されるバーベキューですが、この組み合わせには数え切れないほどのパターンがあります。
旬の食材が手に入ると、「この食材のおいしさを最大限に引き出すには、どのくらいの火加減で、どのくらい時間をかけて焼いて、どうやって味をつけるのがベストなのか」を推測します。


食材によっては、「最初はこの部位を高火力で一気に焼いて、それからこの部位は中火の遠火で仕上げて、その後は熾火(おきび)でゆっくりと加熱、最後はじっくりと余熱で火を通す」とか、「この食材は、“黒炭”の直火で焼いて、こっちの食材は“白炭”の遠火にして、赤外線効果でじんわりと火を通そう」など、火加減に気を使うだけで、断然おいしさが変わってくるものです。

この答えを求めて、様々な方法を試しながら最高のバーベキューを探求するのが、僕にとって大きな愉しみとなっているのです。

もう、この「試行錯誤」の時間を肴に何杯でも呑めてしまう(笑)ほど、本当に奥深い世界がバーベキューにはあるのです。


自宅バーベキューの楽しみ

僕がバーベキュー好きになったのは、子どもの頃の「焼き芋」がきっかけでした。
秋から冬にかけての季節、いとこの家に遊び行った際は、庭に積もった落ち葉を集める作業の手伝いをしました。落ち葉を集めが終わると、叔父が集めた落ち葉で焚き火を起こし、ご褒美としてさつまいもを焼いてくれたのです。
そのような楽しい思い出が心のどこかにのこっていたのでしょう。大人になると当たり前のようにアウトドアや焚き火が趣味となりました。

結婚してからは、子どもたちと一緒に「おうちバーベキュー」や「キャンプ場でバーベキュー」楽しむスタイルに変わりましたが、数年前にはその子どもたちも独立しました。
今は妻と二人で、のんびりと「大人の自宅バーベキュー」を愉しむのが、近頃の週末の過ごし方です。

もっぱら僕が仕込み・調理担当で、妻は味の評価係なのですが、この道20年の研究の成果もあって、妻からは概ね高評価をいただいております。
加えて「料理も後片付けもしなくて良い」という点も、妻が喜んでくれている理由のようです。

外食よりもリーズナブルな分、良い食材や良い炭の購入に費用を充てられることや、時間制限なしでのんびり楽しめることも、自宅バーベキューの魅力です。


鳥や虫の声や季節の風、空の色や星の瞬き。それらを五感で感じつつ過ごすのは、何ものにも変えがたい極上の時間です。


騒々しい日常を忘れ、温かな炭火の側でのんびりとグラスを傾けることで、不思議と「明日もがんばろう」という気持ちが湧いてくるものです。


食材について

僕にとっての週末は、数日前の「食材探し」から始まります。
一番のおすすめ食材は、やはり何と言っても「旬」の味わいです。長年の経験から、どんな高級食材であっても、新鮮な季節の味わいにはかないと思っているほどです。
仕事で遠方に出かけた際は、「直売所」や「道の駅」に立ち寄って、その地域ならではの「旬の地のもの」の手に入れることを心がけています。

僕がよく利用するのは、日光市の「JAかみつが 小林農産物直売所」。
地元の生産者が朝取りした農産品が並ぶので、鮮度は申し分ありません。
道の駅では、きつれがわばとうしおや がおすすめです。
今はネット通販のサイトも充実していますので、

僕がよく利用するサイトをご紹介しますね。

豊洲市場ドットコム
初めは築地市場ドットコムとして開設され、豊洲移転にともない2018年10月の名称を変更した通販サイトです。豊洲市場のプロの目利き人が選んだ商品が購入できます。

漁師さん直送市場
全国20地域の漁師さんや漁協から、新鮮な魚介類を直送してもらえるサイトです。「水揚次第出荷(出荷日付指定不可)」の品も多いのですが、その分鮮度は折り紙つきです。

魚介類に関しては、妻の出身地の能登で鮮魚の仲買を営む「山田屋」さんにもお世話になっています。
季節ごとに問い合わせて、日本海で獲れたオススメの魚たちを直送してもらっています。

ホームページからの購入もできるので、気になる方はチェックしてみてください。

そのほか、ふるさと納税サイトなどにも旬の食材が出品されているので、よく利用しています。

最近は新型コロナによる営業自粛により、料亭やレストランなどへの出荷ができず、行き場を失った高級食材が、インターネットを通じてリーズナブルな価格で販売されていることも少なくありません。
時には「大間のマグロ」など、一般には出回らないような掘り出し物もありますので、こまめにチェックするよう心がけています。


火加減について

さて、旬の食材が手に入ったら「どう焼き上げれば、その持ち味を最大限に引き出せるか」に全神経を傾けます。
カギを握るのは、なんといっても火加減と調理時間にあります。
例えばエビの場合、余すことなく全てを味わい尽くしたいので、僕の場合は殻つきのまま頭ごと焼きます。


そうすることで、うま味を含んだ水分を閉じ込められ、プリッとした身の食感と、カリッと香ばしい殻の焼き上がりが楽しめます。
その場合、頭の部分と体の部分でベストな火加減を見極めながら焼き上げることが重要になってきます。
また、ブロック肉の場合は、最初に表面を強火で焼き上げ、中はゆっくりと余熱で火を通すことが大切です。



ナイフでカットすれば、中から美しいローズ色の肉があらわになり、極上のレア食感が楽しめるはずです。

バーベキューで炭火の加減を調整するには、主に次の3つの方法があります。

1. 炭火の強さ
2. 炭の種類
3. 火と食材の距離

まず「炭火の強さ」の強さについて。


炭は火がついた直後から温度が上がり始め、炭の種類にもよりますが10~60分ほどで最高温に達し、その後は徐々に温度が下がっていきます。
また、炭の量や空気口の開け閉めによっても火力が変わってきます。
僕の場合はバーベキューコンロを2つ用意し、1つは高火力用、もう1つは中火用として使い分けています。それぞれのバーベキューコンロの中にも強・中・弱のエリア分けをし、様子を見ながら炭の位置を微調整していきます。
こうすることで、常に自分が求める火力で食材を焼き上げられます。

次に「炭の種類」について。
炭は大まかに言って、黒炭と白炭の2つに分けられます。
私たちが普段よく使用しているのが「黒炭」で、軟らかくて着火しやすいのが特徴です。
着火した部分から順番に燃焼していくため、炭全体に火がつくまで時間がかかりますが、高温で燃焼します。安価で扱いやすい反面、火力が1~2時間ほどで弱くなること、灰が多いなどの面もあります。
「白炭」は鋼のように固く、たたくとキンキンと音がするのが特徴。有名な備長炭は、この白炭に分類されます。
火付けには時間がかかりますが、一度火がつくと炭全体が燃焼します。燃焼温度は760度ほどと高くはないのですが、赤外線量が多く火勢も安定しているため、食材に均一に火が入ります。
燃焼時間も5~6時間と長く、煙が少ないため雑味が付きにくいメリットもあります。
難点はやはり高価であることでしょう。
バーベキューの経験が少ない場合、まずは着火がしやすい黒炭をお勧めします。
ちょっと良い食材を使ったり、ワンランク上のバーベキューを試したいなら、白炭にチャレンジするのも良いでしょう。
白炭は着火までに時間がかかるので、黒炭に火をつけてその上に白炭をおくと、楽に火を移すことができます。
僕がよく使用するのは、おがくずを四角形や六角形の棒状に整形し、備長炭の製造方法で作った「オガ炭備長炭」。火持ちは黒炭より長く、備長炭のように火力の安定したオガ炭備長炭は、品質もコスパも良好な優れものです。

3つ目は「火と食材の距離」。
食材と炭火の距離を変えることで、微妙な火力調整ができます。この場合、横方向に移すだけでなく、縦方向に遠ざけることが有効です。
「ちょっと火が強いかな」と感じたら、「網や鉄板をレンガなどにのせて、高さを変えてあげると良いでしょう。
片側だけにレンガを置いて鉄板を斜めに配置すると、脂が流れ落ちて食材に火がつきにくくなります。


味付けについて

食材の鮮度に勝る調味料はありません。
ですので、まずは何よりも新鮮な食材や旬の地のものなどを手に入れることが大切です。
その上で、良い食材のおいしさを存分に味わうには、できる限りシンプルに調味するのがベストではないでしょうか。

僕の場合は、「塩とコショウ」が僕のバーベキューの基本です。


特に塩は良質なものにこだわってください。
ミネラルバランスに優れた天然塩ならではの旨味や甘味、コクや苦味の成分により、食材の味がより引き締まります。
ちなみに我が家では、伝統の塩田法で海水から作る「能登のあらじお」を使用しています。
コショウの風味を楽しみたいなら、ホール(粒)のブラックペッパー。調味の都度ミルで挽くと香りが際立ちます。
繊細な味を求めるなら、パウダーのホワイトペッパーも良いでしょう。

食材や料理方法に応じて使い分けてみてください。

大切なのは、「食材をおいしく食べること」です。
時には塩コショウに加え、スパイスや薬味、レモンやスダチといった柑橘類なども、自由に組み合わせてみましょう。
好みや料理方法に応じて、自分なりの「おいしい」を見つける過程もまた、バーベキューの愉しみ方のひとつです。


酒とバーベキュー


バーベキューの醍醐味は「食材を探す」、「調理方法を探す」。そして最後は「合う酒を探す」に尽きます。


ワイン、ウイスキー、焼酎、日本酒、スピリッツなど、自宅に様々なアルコールをストックしておくことで、その日の食材や料理にぴったりの酒がいつでも楽しめます。
あるいは、「この酒に合う料理」といった視点で食材を探してみると、新たな発見があるかもしれません。

→ 週末は自宅バーベキュー(2)

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