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2021.12.15

多店舗展開企業から頼られる理由[株式会社ローソン様]

こんにちは。本澤建築設計事務所の本澤崇です。
「社長通信」をご覧いただき、ありがとうございます。

前回は、私の意外な趣味(フラ)について紹介しましたが、今回は仕事の話をしたいと思います。

本澤建築設計事務所は、1業態で多数の店舗を展開する企業、いわゆる「多店舗展開」をされている会社様とのお取引が多くございます。

みなさんが良く知っている企業であれば、コンビニエンスストアの「ローソン」様。現在、栃木県内のローソンの新規出店・改修の調査・設計に関しては、すべて本澤建築設計事務所が携わっております。


もちろん「ローソン」様だけではなく、その他スポーツ用品の「株式会社アルペン」様の店舗なども手掛けております。

ではなぜ本澤建築設計事務所が、そのような多店舗展開を行う企業に頼られる存在となっているのでしょうか?


ステーキ宮、約180店舗を任されていた実績

本澤建築設計事務所は、80年代から90年代にかけて、アルペングループなど多店舗展開企業の設計を多く手掛けていました。
その中でも、多くを任されていたのが、株式会社宮が運営していた「ステーキ宮」の店舗だったのです。
当時東日本に約180店舗もあった、「ステーキ宮」店舗設計を任されていました。それだけでなく、同社で運営していた別業態のパーラーマドンナ20店舗の新規出店時の設計も依頼されておりました。

「ローソン」様を始めとする、多店舗展開を行う会社様からは、そういった仕事の中で培ったノウハウを見込んでいただいた、とういのがシンプルな背景かもしれません。

ローソンに限らず、一般的に頭に思い浮かぶコンビニの店舗は、似たような四角いカタチが多いかと思います。
そこに対して「どんなノウハウが?」と疑問を持たれることは多くあります。

設計事務所は世の中にたくさんありますから、その中で「ローソン」様のような、多店舗を展開していく事業の会社から頼られるようなったのは、本澤建築設計事務所が他社とは違う価値を提供できていることに他ならないのです。


新規出店は何が必要か。瞬時に適切な判断と行動が出来るか?

結論から申し上げますと、この仕事に求められるのは「スピード感」です。

新しい店舗をオープンするには、ローソン様側で「出店会議」が行われますが、そこに必要な情報の提供も本澤建築設計事務所が行っております。


コンビニの店舗の見た目は、ほぼ同じです。
「設計」という観点でいえば、もうほぼ決まっていると言ってよいかもしれません。

ですが、建物のカタチが同じだったとしても、建てる場所によって、必要な費用は変わります。

地盤調査や整地にかかる費用、車の出入り口となる歩道の切り下げ申請、店舗内排水の近隣河川への放流の可否、農地だったところに建てるのならば、農地転換の申請など、建てる場所によって、検討すべき条件も変わり、それに伴う行政とのやり取りが多数発生します。また、県や市町村ごとに条例の違いもあるので、より複雑です。

本澤建築設計事務所では、それらの現状を瞬時に判断し、役所などの関係各所に確認を取ります。そして、概算見積もりや計画書を作成し、「出店会議」の資料に盛り込めるものをご提出するのです。

もはや設計というより、調査というほうが適しているかもしれません。

新しい店を出すには、タイミングもありますから、1店舗1店舗じっくり時間をかけるわけにはいきません。
「新しい店を出したい」という目的に、スピーディーに最短でたどり着く方法を調べて、ご提案するのが私たちの役割です。

もし多数の建物の設計実績があったとしても、これらのノウハウがなければ、スムーズに話を進めるのは難しいでしょう。


東日本大震災後、被災地での仮設店舗を建てる際に…

「ローソン」様とのお付き合いが始まったのは、2007年のこと。もう15年近くも前のことになります。
当時、ローソン様側の店舗開発の担当者様が、新規出店にあたっての前述の複雑なやり取りもスムーズにできる設計事務所を探していたところ、多店舗展開企業との取引実績が多くあった、当社に声がかかったのです。

そこから少しずつ、お仕事をいただけるようになってから数年後。
2011年の東日本大震災の直後のことでした。

東北地方では、多くの人や建物が津波の被害に遭いました。ローソン様の店舗も例外ではありません。
ローソン様は、被災した地域で、1日でも早く食品や生活必需品が入手できる場を作るために、プレハブ仮設店舗の開設を急ぎました。
これには、通常の店舗より、格段に速いスピードが求められます。

その際、私たち本澤建築設計事務所に声がかかったのです。
「こういう仮設店舗を作ろうと思っているのだけれど、それに対してアドバイスが欲しい」と言っていただき、私たちはプレハブ工場へ出向き、起こりうるリスクや対処法、工期など、様々な話をさせていただきました。

ローソン様も、未曾有の大災害の中、自社も甚大な被害を被っておりました。それでも社会のインフラの1つとしての役割を果たすため、多くの従業員の方が必死に取り組んでいる最中だったと思います。

そんな時に、本澤建築設計事務所を頼りにしてくださったというのは、本当にありがたく、光栄なことだと感じましたし、これまでの仕事をご評価いただいていることを実感いたしました。


ご依頼いただいた数は数え切れず。それこそが信頼の証。

当社は、特殊な場所での出店にも携わっております。
ここを読んでくださる方がイメージしやすい場所でいうと、病院内のローソンでしょうか。
獨協医科大学内や、那須や足利の赤十字病院の中にもローソンはあります。

病院内で出店する際には、病院側の構造や条件なども考慮して進めなければいけませんから、これにもノウハウがあったほうが、仕事はスピーディーに進みます。

また、自衛隊の駐屯地内のローソンも新築・改修にも携わっています。
過去には、栃木県内を出まして、山梨県にある陸上自衛隊北富士駐屯地、茨城県の陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地のローソンを手掛けたこともあります。


他にも、高速道路のサービスエリア内や駅ナカ、庁舎の中まで、特殊な場所での出店の際も、ご依頼をいただきます。
公共性が高い場所においても、本澤建築設計事務所であれば、ローソンの仕様やスペックを理解し、スムーズに仕事が進むとご判断いただけているのが、理由のようです。

現在は、栃木県内すべてのローソンの新築・改修ための調査・設計を任されており、最近では月に6件程度、多いときは25件くらいを並行して進めていくこともありました。

正直、累計の実績は数え切れません。
ただ、その数え切れない実績と、長いお付き合いは、多大なる信頼を寄せていただいている証とも捉えています。

長いお付き合いの中では、お仕事の依頼を受けてから動くだけでなく、こちらから新規出店場所に適した土地をご紹介したり、フランチャイズのオーナー様をご紹介したりするなど、協力し合う関係性が築けていると思っております。



特殊だからこそ、他にはできない「価値」を提供できる

多店舗展開の企業様の仕事には、一般の方がイメージしている「設計」とはまた違った大変さや、複雑さ・特殊さがあります。

アルペン様の時は、建築基準法や消防法、広告物条例等々、出店する地域の条例の中で「アルペン仕様の建物」がそのエリアで合法的に作れるか、ということも課題の1つでした。


また、庁舎内にローソンを出店するときは「公共の建物の中に、民間を入れる」という特殊なケースでしたので、公共事業を担ったことがある本澤建築設計事務所が頼りにされました。

特殊なケースであればあるほど、過去の経験や実績・ノウハウが役に立つのを実感します。

過去には、もちろん失敗もありました。
ですが、その失敗も1つのノウハウとして蓄積してきたからこそ、今、多くのノウハウを持つ企業として、多店舗展開の企業様にお声がけをいただけるようになり、他社にはない価値を提供し続けることができているのだと感じています。

もし、事業やエリアの拡大で、栃木県内で多店舗展開をご検討の企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談をいただければと思います。



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