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H.C.栃木日光アイスバックスコラム【第17回】王子に5点激勝 &逆転でアウェー 連勝
 

◎H.C.栃木日光アイスバックス コラム

王子に5点激勝&逆転でアウェー連勝



勢いを得るにはこの上ない結果だ。
10月6日・7日に苫小牧で行われた王子イーグルスとのアウエー2連戦。H.C.栃木日光アイスバックスは初戦を5-1で快勝。
2戦目も2点ビハインドをひっくり返す粘りの勝利で、見事に白星を2つ並べた。

 


とくに圧巻だったのが7日の第2戦だ。
第1ピリオドを終え て0-2とリードされる苦しい展開ながら、第2ピリオド開始 早々に飛び出したヨーナス・フーリのアジアリーグ初ゴール が流れを変えた。
「高めに打てば、決められる確率が高い。 ゴール前で味方が壁になってくれていたし、狙っていった (フーリ)」というシュートは、ゴールの左上スミを捉えた。
これでバックスは完全に勢いに乗る。スピードにのったF W陣がどんどん相手のブルーラインを突破。それにDFも見 事にサポートしてシュートの雨を降らせる。
仕上げはゴール 裏に回り込んだ岩本和真から絶好のパスを受けた古橋真来 が「狙い澄まして打つことができた」というシュートで同点。


第3ピリオドも先に王子のゴールを許す我慢の展開のな か、古橋が相手ゴール裏でのパスミスを見逃さずにパックを 奪う。
「王子の誰もパックに気付いていなかったので、とに かく音を立てないように」と古橋はまるで忍者のようにする するっとゴールに近づいてパックを流し込み、ふたたび3- 3の同点に。
その後延長戦からペナルティーショットまでも つれ込んだ大熱戦は、彦坂優が王子GK小野田の動きを読 み切り、GKの左肩口に鮮やかに決めて勝負あり。
王子の桜 井邦彦監督をして「ゴールに対する執着心、勝利への想い はバックスの方が上と認めざるを得ない」と脱帽させる内容 で、バックスはこの連戦で勝点5をゲットした。


「チーム戦術に選手達が対応してよりシンプルに動いてくれ ている。
勢いが出てきたし、ケガ人も戻ってきた。いよいよ ここから、と言う気持ちです」と藤澤悌史コーチも納得の表 情を見せたこの連戦。
6日には2ゴール2アシストの大活躍 を見せた寺尾裕道が「こういうプレーをすれば僕たちはでき る、というコアの部分が見つかった」と語ってくれ、「身体も あたり負けしなくなってきて、成長できていると思います」と いう大椋舞人も2アシストを挙げるなど、ポジティブな要素 が詰まった好ゲームだった。


最後に、北海道胆振東部地震で被災し、この連戦が開幕 カードとなった王子イーグルスがファンに配布したマッチデー プログラムの表紙には、霧降で「これからも共に氷都のライ バル」の横断幕を掲げるバックスサポーターの姿が。
会場で は「日光からの多くのあたたかいメッセージ、ご支援に感謝 します」といった言葉がアナウンスされると、敵味方関係な く大きな拍手がリンクいっぱいに響いた。
アイスホッケーとい うスポーツを愛するもの同士、お互いをリスペクトする思いに あふれた、素晴らしい連戦だったことはぜひここに記しておき たい。

 
 
関谷智紀
Sekiya Tomoki

Profile
1971年生まれ。埼玉県入間市出身。
スポーツ番組ディレクターを経てライターに転身。
スポーツのみならず経済、IT、フードなどのジャンルで雑誌を中心に記事を執筆。
アイスホッケー取材は2004年から続けている。